久しぶりにアルコールインクアートです。
最近よくInstagramで、ワークショップの問い合わせをいただくのですが、今のところ特にワークショップの予定はしていません。
ですが、アルコールインクアートは材料さえ揃えばあとはほぼ練習あるのみです。
自分で材料を揃えてしまえば、高額なお金を払ってワークショップに参加する意味はないと思っています。
(もちろんそのアーティストさんの大ファンだったり、特別なテクニックを持っている方に教えてもらうのは別だと思います。
ですがそれは、中級〜上級レベル向けのワークショップに限りますね。)
最初だからこそ、ワークショップの参加費を材料費に当ててたくさん練習していただきたいな、と思います。
ビギナーの方でもこれからご紹介する材料で練習し続けたらすぐに上達できますよ。
なので、今回は何がアルコールインクアートを難しくさせるのか、どうしたらより簡単にできるようになるのかをご紹介します。
大きな差を生むのはアルコール液です。
以前にアルコール液とエタノールの種類については下記の記事で詳しく説明しています。
この中でもご紹介させていただいた通り、アルコール濃度の高いものほど揮発性が高いため、描きやすくなります。
消毒用エタノールですとアルコール濃度が低いため、揮発性が低いですね。
揮発性が低いと、美しいラインが出にくく、滲んだようなもやもやした印象になりやすいです。
揮発性が高ければ、インクの流れたラインが綺麗に出てメリハリのある作品になります。
アルコール濃度が100%に近いほど描きやすいということです。
そこで、こちらのアルコール液がおすすめです。
イソプロピルアルコール (IPA)
アルコール濃度は99.9%です。 |
ロンドンに住んでいた時はイソプロピル(イソプロパノール)アルコールを使用していて、日本でも同様のものをずっと探していました。
最近これを見つけたのですが、無水エタノール以上のアルコール濃度でエタノールよりずっと安く購入できます。
私は練習では安いエタノールを使用していたこともあったのですが、今は思い切りこのIPAを使って練習できます。
とても描きやすいですよ。
( ちなみに無水エタノールとはほとんどアルコール濃度は変わりませんので、使用感は変わらないと思います。
しかし無水エタノールはIPAの4〜5倍のお値段です。)
ここからは以前にご紹介した材料ばかりです。
私はアルコール液は必ずニードル付き容器に入れ替えて使用しています。
一度ニードル付き容器を使用するととても使いやすいので、もう欠かすことができません。
必要な量のアルコール液を垂らしたいところにピンポイントで垂らせます。
インクを入れ替える場合は10mlの小さいボトルで十分ですが、アルコール液はたくさん使用しますので、20ml以上の容器の方が入れ替える手間が減って良いと思います。
私は現在30mlを愛用しています。
50ml以上使う時は、大きな作品を描く時や、何度も直しながら描く時ですね。
私は合わせて以下のヒートガンも使用しています。
ヒートガンを使うことによって熱で一気に揮発させられるため、インクのラインが綺麗に出ます。
しかしかなり高温になるので火傷にご注意ください。
ちなみに私はIPAを使うようになってからは、ヒートガンを使う回数は半分以下になりました。
ヒートガンを使わなくても美しいラインが出しやすくなったからです。
ヒートガンを使用する場合はこちらのユポ紙 (250GSM) がおすすめです。
現在のところ、日本で購入できるユポ紙でA4、A3サイズのものだと250GSMが最高だと思います。
( 日本ではA3以上の大きさで分厚いユポ紙はまだ売られていないようです。)
250GSM以下ですと、紙が薄すぎてヒートガンの熱に耐えられなくなってきます。
250GSMでも熱を近づけすぎると紙が曲がってしまうので注意が必要です。
もちろんヒートガンを使用しない場合はどんなユポ紙でも大丈夫ですよ!
これらが揃えばビギナーさんでも必ずインクの美しいラインが出せるようになります。
最初はインクのコントロールが難しいですが、あとは練習あるのみです。
私は今のこの材料に落ち着いてから、アルコールインクアートがより簡単に綺麗に描けるようになり、以前よりも楽しくなりました。
アルコールインクアートは見た目よりも難しく、なかなか上達できずにめげそうになる…という方も多いです。
私も長い間そう感じつつも様々な実験を繰り返して現在に至りました。
無水エタノールを使っていた人にとっては、IPAも描き心地は変わりませんが、コストを大幅カットすることができますので、IPAでたくさんアルコールインクに触れる時間を増やしてください。
皆さんにもよりレベルアップしやすい道具を使って、アルコールインクアートを楽しんでいただきたいです。
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